馨のブログ

過去のことや今のこと思ったことを書き殴ります

人生で1番好きだった男

10代の頃の私は恋愛の延長線上に結婚があると信じて疑わなかったけど、歳を重ねるにつれて好きだけではどうにもならない恋や、どれだけ尽くしても報われない恋を経験して、好きな気持ちだけでは結婚に至れないということがわかってきた。

 

 

恋愛も、細々したのを入れたら覚えていないくらいしたし、恋人も10人以上いたと思う。

 

 

 

そんな中で1人だけ一世一代の片想いをした。

私の片想いは彼のためにあったと思ったし、あそこまでの恋はきっともうしない。多分できない。

 

 

今から5年くらい前、私の職場に中途で入社してきたその人は話す前から何となく気になる存在で、私の好みを具体化したような見た目で、とにかく顔が好きだった。

 

 

 

 

私は息をするように自然に彼に恋をしたけど、彼にはずっと付き合っている彼女がいた。

 

 

 

 

もう何年も付き合っていて、お互いの家族も公認。まだ転職したてだから結婚は少し落ち着いたらするつもりですってみんなの前で彼女を自慢していた。

 

 

 

 

彼女は確かにかわいくて、雰囲気はどことなく彼に似ていて、お似合いの2人って似てくるって言うけど本当なんだなと思った。

 

 

 

この関係に割り込む隙間なんて無いと思ったし、私は彼の同僚として、気持ちを隠して仲良くしていこうと思った。

 

 

 

実際同じ場所で過ごす中で歳が近かったのが私と彼だけだったからセットにされることが多く、周りには兄妹って言われていた。

 

 

 

 

 

距離も自然と近くなり、いつも仕事では一緒に行動していた。

彼も私のことを良く見ていて、困ったらすぐサポートしてくれた。少しふざけたら困った顔で笑いながら突っ込んできたり、とにかく楽しかった。

 

 

 

近くなればなるほど想いは消せなかった。

この人の笑顔が私だけのものになればいいのにって何度も思った。

 

 

時々出る彼女の話に胸が張り裂けそうだったし、

「お前も早く彼氏つくれよー!」って言葉に私は恋愛対象ではないのだと気付かされて何度も静かに傷ついた。

 

 

それでも好きな人といる空間は心地よくて、離れることはできなかった。その空間だけは彼をが独り占めできるから離せなかった。

 

 

 

下の名前を呼び捨てにしてくれる関係になって、欲が抑えきれなくなった。

 

 

 

きっと私の感情は周りや彼には筒抜けだったと思う。ここまで人を好きになったことが初めてで、感情が抑えられなくなってた。

 

 

場所での飲み会で席が隣になった時、テーブルの下でみんなから見えないように彼から手を握られた。

 

 

 

 

今なら彼女がいてもそんなことする男願い下げだと思えるのに、その時の私は嬉しくて嬉しくて心臓が口から出そうになった。

 

 

 

そこから飲み会のたびに隣に座っては手を絡める関係になった。  

向かい合った時は足で触って合図しあったり。

 

 

 

 

そうなるとそれ以上の関係になるのはあっという間で、飲み会で酔っ払った私を送ると言う名目で家まで来た彼と一夜を共にした。

 

 

 

私の名前を呼びながら何度もキスしてくる彼と体を重ねながら、彼には彼女がいるとわかってても、涙が出るほど嬉しかった。

彼と出会ってから1年くらい経っていたと思う。

 

 

 

一度体の関係を持ってしまってからはもうなし崩しで、彼は週末以外私の家にいるようになった。

 

 

 

ほとんど同棲状態で、それでも私は彼女じゃなくただのセフレという状況が続いた。

最初は彼に触れられるだけで幸せだったのに欲は際限なくて、彼に彼女と別れてもらいたいと願うようになった。

 

 

彼もずっとそばにいる私に情がうつり、彼女と別れるという言葉を繰り返した。

 

 

 

週末になると彼女と会うため家に戻る彼に精神的にも限界がきていた。でも、こんなに好きになった人が私には初めてで、とても手放す判断はできなかった。

 

 

周りからは散々止められた。どんどんボロボロになっていく私を当たり前だけど心配していた。他の人と恋愛することも考えて街コンや、合コンに行ったけど、彼以上の人が見当たらなかった。

 

 

ある週末に、彼が「彼女とこれから会って別れ話をしてくる」と言って帰っていった。これでやっと彼の1番になれるのだと心底嬉しかったけど、あんなに長く付き合ってら彼女と本当に別れることができるのか不安だった。

 

 

やっぱり悪い予感は当たるもので、夜彼から電話が来て、

 

 

「やっぱりごめん…別れられない…あいつを捨てられない…」

 

 

そう言われた。

 

 

それは事実上私たちの終わりを意味していたし、何となくわかっていたことでもあった。私もいつまでもこうしているわけにはいかなかったし、彼以外にも目を向けて新しい恋愛を掴もうと思った。

 

 

そんな時タイミングよく、昔から仲の良かった男友達と飲みにいったときに彼の話をしたら「そんな男やめて俺にしなよ」って言われた。

正直想定外で動揺してしまったけど、少し真面目に考えようと思ってデートをしてみたりした。

 

 

友達との恋愛を考えることで、今まで彼だけを盲目的に見ていたわたしには余裕ができ、なによりも彼を優先していた生活が大きく変わった。

 

 

彼からの誘いも断るようになった。

それでも、友達との恋愛はやっぱり上手く恋愛感情にはできなくて、何度かデートしたけどお断りすることにした。

 

 

 

一方で絶対に自分だけを見ていると思ってた私を失った彼は想像以上の喪失感に苛まれ、別れられないと言っていた彼女と再度別れ話をし、きちんと別れてから私のところに来てくれた。

改めて私が好きだと告白してくれた。

 

 

 

正直絶対に私が彼女なれる日がくると思っていなかった私はすごく嬉しくてやっぱりこの人が1番好きだったからたくさん傷ついていたけど了承した。

 

 

この日が私の人生で1番満たされたと感じた日だったと思う。

 

 

 

それから正式に恋人として半同棲生活を開始させたけれど、やはり付き合うことがピークでお互い不満が溜まり半年と続かなかった。

 

 

 

私にとっても彼と付き合うことをゴールに定めてしまって、それ以降のことはガス欠してしまった。

今思うと上手くやれる方法は本当にいくらでもあったけど、あそこで終わってよかったんだと思う。

多分あのまま付き合っても誰かに奪われていたと思うし。

 

 

 

私は本当に全身全霊心から好きだった人と最終的には思い合うことが出来た、という事実だけで充分だった。

 

 

好きという気持ちだけで結婚しても幸せになれるかはわからないし、どんな状況でも逆転はできるかもしれないとも思うようになった。

 

 

人生でこんなに人を好きになれることはもうないというくらい彼との恋に捧げたので、これからは自分を見失わない程度に恋を楽しみたいなと思います。

 

 

逆に今絶望的な状況で片想いしていても、戦略次第では逆転できるよ、ということもお伝えしたい。

ただ簡単になびく男は付き合ってもすぐどこか行くリスクが高いけどね…